2024年に新NISAがスタートする予定となっています。
今までのNISAはいったん終了し、2024年からはまったく新しい制度として生まれ変わることになります。新NISAのスタートを前に申込みが急増している制度があります。「ジュニアNISA」です。今回はジュニアNISAの申込みが急増している理由を解説します。
現行のNISA制度は大きく分けて「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3つに分けられています。
この内、未成年の方で開設することが出来るのは「ジュニアNISA」のみとなっています。
現在のジュニアNISAは年間80万円までの非課税枠が使用でき、非課税の期間は5年間となっています。
このジュニアNISAには成人の方が対象のNISAにはないルールがあります。それは成人になるまで資産の払い出しが出来ないという内容です。
このようなルールが存在している理由は、子供の資産運用は短期的ではなく長期的な運用を目指すべきという考えによるもので、投機的な取引の抑制が目的と考えられています。
さて、このようなジュニアNISAの申込みが今になって増えてきています。
ジュニアNISAの口座数は2021年末に548,190口座だったのですが2022年末には817,546口座と1年間で約1.5倍に増えています。
ジュニアNISA口座数【前証券会社対象】
※日本証券業協会NISA及びジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果(全証券会社)を参考に株式会社ブルクアセットが作成これだけ口座数が増えた理由ですが、これには2つの理由があります。
①払い出しルールが大幅緩和
新NISAが始まる2024年以降は、非課税での払い出しに関するルールが緩和される予定となっています。
まずジュニアNISAが始まった当初に比べて成人年齢が20歳から18歳に引き下がっており、引き出し制限がなくなるまでの期間が短くなりました。
次に今までは成人になるまで原則資金の引き出しができず、この点が使い勝手が悪いと言われていましたが、2024年以降は全てを一度に払い出すことが条件ではありますが、成人になる前であってもジュニアNISAの資産を払い出すことが出来るようになります。
最後に2024年以降、当初の非課税期間(5年間)の満了を迎えても、18歳になるまで引き続き非課税で保有できます。
だいぶ使い勝手が改善された印象がジュニアNISA口座を開設する理由になっていると考えられています。
②新NISAは未成年の方が使えない
2024年から始まる新NISAにはジュニアNISAに代わるような制度が出来る予定はありません。
新NISAは成人(18歳以上)しか対象とならないため、未成年の方は非課税枠を使用することが出来ないのです。
2023年は未成年の方が非課税枠を使用できるラストイヤー
2024年の新NISAが始まるのを前にルールが緩和されたジュニアNISA。また今年が非課税枠で投資が出来る最後の年となっているため、駆け込み需要もあると考えられます。ちなみにジュニアNISAの開設は2023年9月中までとなっており、残り一ヵ月を切っています。
「子供の教育資金を作るため」「お孫さんへの贈与のため」等理由や目的は異なりますが、最後にジュニアNISAへの投資を考えても良いのかもしれません。